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京都大学大学院医学研究科国際保健講座で講義

WHO神戸センターのローゼンバーグ恵美技官は、10月12日(木)に京都大学大学院医学研究科の国際保健講座で、教育・貧困・経済と人々の健康と健康格差の関連について英語で講義を行いました。同講座でこのテーマに関する講義をローゼンバーグ技官が担当するのは今回で7回目となります。25名の履修生は、主に公衆衛生学や医学部の学生で、その大半が海外からの留学生でした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防接種状況において世界各国の間に見られる格差を表すデータなども示しながら、様々に顕在化する健康格差とその社会的決定要因についてお話しました。

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WKCフォーラム「Our planet, our health-私たちが考える地球規模の健康課題」開催の報告

今年の世界保健デーのテーマである「Our planet, our health(私たちの地球、私たちの健康)」に因んで、高校生と大学生が未曽有の感染症、高齢化、災害危機管理など様々なグローバルヘルスの課題について学び、議論する機会となるWKCフォーラムを2022年9月25日に開催しました。

 

基調講演では、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金CEOの國井修先生より、これまで海外で医療活動に携わって来られたベースとなる志と情熱をお話いただきました。学生からの多くの質問が出て、そのひとつひとつにご丁寧にお答えいただきました。その後のパネルディスカッションでは、国境なき医師団の蟹江信宏先生や大学生、高校生とWKCスタッフがウェルビーイングについて議論しました。12のテーマで開かれた分科会では、今回のフォーラムに先立ち3週間にわたって開催された「WHOサマースクール」の参加者およびinochi WAKAZO projectの学生たちが、各分科会を担当しました。分科会では、担当学生がそれぞれのテーマに関する研究内容についてのポスター発表を行い、その内容をもとに各分科会に参加する学生達とディスカッションを行いました。

本フォーラムは、inochi WAKAZO projectとの共催で約220名の全国の学生、一般市民の参加を得ました。ご参加をいただき、ありがとうございました。

尚、当日のフォーラムの録画動画(約2時間20分)を10月末まで公開しております。どうぞご視聴ください。

 

【開催概要】

日時:2022年9月25日 (13:00–16:10)

会場:WEB会議システムによるオンライン参加(Zoom)

参加費:無料(要事前登録)

主催:WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)

共催:inochi WAKAZO project、WHO神戸センター協力委員会

Archived Projects
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介護分野における外国人技能実習のための ICF(国際生活機能分類)を基盤とした 評価ツールの開発

背景

障害や慢性疾患を抱える人の増加にともない、良質で費用効率の高いサービスへのアクセスを確保するためには介護専門職の増員が必要です。東アジアにおいて既に深刻な介護労働者不足に直面するなか、日本では団塊の世代が75歳以上になる2025年までに、さらに38万人の介護労働者が必要になります。この需要拡大に対処するため、各国では外国人の医療労働者の採用数を増やしたり、実習を行ったりしています。例えば、カナダと米国では、介護に携わる労働人口全体のおよそ5分の1を外国人が占めています。

日本は経済連携プログラムの一環として、看護および介護に従事する外国人労働者をインドネシアやフィリピン、ベトナムから受け入れています。最近では、外国人技能実習制度を拡充して、日本の医療介護産業で働くことを希望する外国人医療介護労働者の実習を対象に加えるとともに、国際協力プログラムの一環として、日本の継続介護の分野での経験を諸外国に提供しています。医療介護に携わる外国人労働者の増加にともない、実習生に介護技能を効果的に移転する実習制度の確立が不可欠になっています。

目標

日本の外国人技能実習制度における介護技能の移転を評価するため、国際生活機能分類(ICF)に基づいた評価ツールを開発し、その有効性を立証する。

研究手法

新しい評価ツールは、現行の外国人技能実習制度評価ツールに基にICFを組み込んで構築され、看護師および医師からなる実務者委員会からの意見を取り入れて開発されました。

評価手段の包括性と運用管理に想定される課題を特定し、ツールを適切に修正するため、外国人技能実習制度の関連施設で予備テストを行いました。このツールにより収集された情報は、実習生の介護技能、被介護者に必要な介護、技能実習の背景、および雇用環境です。

実習後、介護技能を習得できたかどうかについては、指導員のサンプルごとに定性的に判定しました。さらに、定性的なフィードバックを得るため、施設管理者、指導員および外国人実習生を対象に半構造化面接を行いました。

研究結果

評価ツールは100か所の施設でフィールドテストを行い、外国人技能実習の指導員300人を対象としました。多くの指導員や職員からは、介護技能実習システムの4つの要素にまたがる38にわたる項目を用いることは困難であることが指摘され、評価ツールは最大でも25項目まで縮小すべきとの提言が得られました。参加者からは、ICFのコンセプトおよび介護能力の格付けとの関連性を明確にするためのガイドブックがあれば有用との提案がありました。さらに、実習生によって基本となる技能水準が異なるため、評価ツールはさまざまな基本水準から実習生の成長を測れるよう、微妙な差異への対応が求められることも分かりました。

意義

本プロジェクトでは、日本の外国人技能実習制度における介護技能の移転を評価するため、ICFに基づいた評価ツールを作成しました。この新ツールはWHOのICFを基に組み立てているため、他国、特に外国人の医療介護労働者の雇用を検討している国においての活用が見込まれます。この研究の成果は、高齢者介護の必要性、また、外国人労働力へのさらなる依存が予測されるなか、急速な人口の高齢化が進む国々においてはとりわけ広く影響を与えることが期待されます。

高齢化するアジアの技術的・社会的イノベーション

 

この研究プロジェクトでは、東アジア主要国の高齢社会を比較しながら、アジア地域の人口高齢化と関連政策課題を研究します。具体的には、アジアの主要な高齢化社会における公共政策の動向調査、各国の高齢化対応施策の事例紹介、将来的な人口高齢化課題に対応するための公共施策立案のエビデンスベースの検討などです。

具体的な目標は、既に高齢化が進行している都市の教訓や成功事例を高齢化しつつあるアジアの他の都市にも転用していくことです。

WHO神戸センターは高齢化するアジアにおける技術的・社会的イノベーションに着目しています。